会長挨拶

第42回東北ペインクリニック学会にあたって

東北ペインクリニック学会会員の皆様には、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。この度、平成30年3月24日(土)に山形駅に隣接します山形テルサを会場とし、第42回東北ペインクリニック学会を開催することになりました。伝統ある本学会の会長を仰せつかり大変光栄に存じます。

ペインクリニックを初めて研修した1990年代「ペインクリニックは麻酔の片手間で出来る仕事ではない」と言われました。歩くこともできなくなった重症の帯状疱疹の高齢者や、怒りっぽい上腕切断後断端痛の男性患者さんの入院管理、直腸癌末期女性の在宅緩和医療など、難治性疼痛の患者さんを経験し、ペインクリニックを志すには相当な覚悟がいると思ったものです。さらに今は、「ペインクリニック医だけで痛みの治療はできない」と日々痛感しております。頚椎拡大術後のこの女性はなぜ手が動かせないのか、腰痛は治っているはずなのに松葉杖が手離せないのはなぜなのか、など、認知行動療法、理学療法を含め多方面からのアプローチ、多業種間の連携が不可欠となってきています。

そこで、本会のメインテーマは「痛み治療の多角的アプローチ」とし、様々な痛みに対し、オーダーメードの診療を提供すべく、日々の臨床、研究成果をぜひご発表いただけたらと思います。痛みで苦しむ患者さんを一人でも減らせるよう、痛みに関わる診療技術と診療体制のさらなる向上を目指し、活発な議論と交流の場となる大会を目指し努力してまいります。会員様の参加を心よりお待ちしております。

第42回東北ペインクリニック学会 会長 飯澤 和恵(山形大学医学部 麻酔科学講座)